平成25年9月12日
吉備・綾南いきいき21推進委員会主催
「こころとからだの健康づくり」講演会

「加齢と生活習慣病」
加齢に伴って生活習慣病とどのように関わっていくべきなのか、という内容でした。一番強調したかったことは、「メタボとロコモを予防し、認知症と寝たきりを予防しよう!」ということ。“メタボ”はご存じメタボリックシンドロームのことです。内臓脂肪がもとで、様々な生活習慣病を引き起こします。“ロコモ”は、ロコモティブシンドロームの略称です。足腰が弱って歩けなくなることをいいます。つまり、生活習慣病を予防し、足腰が弱らないようにすることが、認知症や寝たきりの予防につながるのだという意味です。

代表的な生活習慣病について、当院のデータも交えながら、加齢に伴って注意しなければならないことや、年齢に応じた治療の必要性といった話をいたしました。中でも、糖尿病は「万病のもと」。糖尿病は、脳卒中や心筋梗塞だけでなく、認知症やがんの危険性も高めるのです。

“ロコモ”の予防には運動が大切です。高齢者の歩行の特徴は、歩行速度の低下です。速く歩ける人ほど長生きという研究結果もあります。関節の痛みから運動不足になり、肥満(メタボ)からロコモになるという悪循環に陥りやすくなります。人が歩く、移動するということは、年を重ねても自分の意思を実現することであり、健康な足腰がそれを支えるのです。ロコモ予防に推奨される運動を二種類ご紹介いたしました。開眼片脚立ちとスクワット。運動習慣のない人は早速今日から始めてみましょう(腰痛・膝関節痛のある方はかかりつけで相談を)。

最後に認知症のお話をいたしました。認知症は、「今までできていた生活が、徐々にできなくなる病気」なのです。認知症は、年のせいではなく、病気なのです。生活習慣病は認知症につながる危険性を高めます。運動習慣がある人の方が、認知症の発症率は低いのです。そして、認知症自体を知ること、向き合っていくことが必要な時代が来ていることもお話いたしました。

「メタボとロコモを予防し、認知症と寝たきりを予防しよう!」を合言葉に、ご来場の皆様が、この地域で、元気で長生きされることを、そして、当日のお話が、少しでもその一助になればと思いました。


 


 
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